ラフマニノフのピアノ協奏曲3番が熱い
ラフマニノフいいよね。趣味でピアノをやっていたおかげで,そこそこクラシック音楽を聴くのだけど,最近実家に帰ったときに妹にオススメされたラフマニノフのピアノ協奏曲3番が熱いという話をしようと思う。
ラフマニノフといえばこの曲?
クラシックピアノと聞くと,まずベートーベンだとかショパンなんかが思い浮かぶ人が多いんじゃないだろうか。あとはリストとかドビュッシーとかシューベルトとかシューマンとかもいるけど,この辺に比べると知名度ではいまいちな気がしなくもない。いや単に私が知らなかっただけかもしれないけど。でもこの曲なら一度は聞いたことあるはず。ラフマニノフのピアノ協奏曲2番。
Rachmaninov Piano Concerto No. 2 performed by Evgeny Kissin
(演奏は0:54あたりから)
そう,この曲は「のだめカンタービレ」で玉木宏が演じる千秋先輩が演奏していたアレである。あと浅田真央選手が演目で使っていた曲としても有名。なので冒頭なんか特に聴き覚えがある方も多いんじゃなかろうか。
私はピアノ協奏曲は最終楽章のフィナーレを聞くのが好きで,他にもショパンのピアノ協奏曲第1番の最後らへんは好きだったりするのだが,この曲も例に漏れず最後がとても好き。動画でいうと36分あたりから(でも時間がある人は全部聞いてみてください。やっぱり全部聞いてからこそのフィナーレだから感動的だと私は思うのよ)。うーん,とても優雅。弦の奏でるロマンティックな旋律の間に,ピアノが和音を埋めていく感じ。そして終局へ勢い付けて向かっていく。まさにフィナーレ。ラフマニノフ,いいよなぁ。
第3番のフィナーレにやられる
ところが,こいつを超えてきた(と個人的には思っている)のがピアノ協奏曲第3番。とにかくちょっと聞いてみて。
Yefim Bronfman: Rachmaninoff Piano Concerto No. 3 in D minor, Op. 30
第3楽章は後半どこで区切ろうか迷ったくらい見せ場が多いので,これもほんとに時間があればぜひ頭から聞いてもらいたいのですが,とりあえず37:30あたりから聞いてみてください。これも第2番と似ているのですが,第3番の違うところはピアノも旋律を追ってるところ。弦の旋律とピアノの重厚な和音が合わさってとても壮大な音楽を奏でています。もちろん優雅さもあるのだけど,第2番で感じる優等生的な優雅さとはちょっと違って,とにかく情熱を感じるフィナーレになってると思います。これでもか!これでもか!というくらい盛り上げてくる感じ,まさに絶頂。そして余韻を与える暇もなくピアノが駆け下りていき,そしてまた昇っていき,終局を迎える。こいつを弾けたら本当に気持ちが良いのだろうなぁ。死ぬほど難しいけど,こいつを弾ききって死ぬのも悪くないなぁ。
ちなみにラフマニノフってのはめっちゃくちゃ身体が大きい人で,手も大きくて有名。ドから上のソまで届くというから驚き。ちなみに私はドから上のミがギリギリ届くくらい。それだけ彼の手はでかい。その身体的特徴もあってか,やたら重厚な和音を使うのが特徴だそうです。この和音,鐘の音を模したものだと言われていて,実際に「鐘」という名前の,これまた重厚な和音が特徴の曲もあるくらい。
ラフマニノフ: 前奏曲 嬰ハ短調 作品3の2 《鐘》 アシュケナージ - YouTube
冒頭で挙げたピアノ協奏曲第2番の冒頭なんかも鐘をモチーフにしてるなんて言われてますね。あれもめちゃくちゃ幅が広い和音で,やっぱり手が大きかったんだなぁという感じがします。
最後に,そんなに聴き比べたわけではないのですが,一枚で2番と3番が聞けるオススメCDを紹介します。2番なんかは演奏によってはもう少しゆったり目に弾く人もいるのですが,個人的にはこのCDの演奏くらいのテンポが好みです。上で書いた3番のフィナーレは圧巻。ぜひいいヘッドホンで,(耳が壊れない程度に)ちょっと音量を大きめにして浸ってみてください。文字通り鳥肌が立ちます。
- アーティスト: ブロンフマン(イェフィム),ラフマニノフ,サロネン(エサ=ペッカ),フィルハーモニア管弦楽団
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 2000/11/01
- メディア: CD
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